なないろ通信

「こころ」と「からだ」について

 今回は、神戸大学医学部精神神経科教授だった中井久夫先生の共著「看護のための精神医学」(医学書院)から上記の考察についてご紹介したい。
 中井先生は今年80歳になられる。精神医学の世界では超のつく高名な方である。たくさんの著書を出されている。私はそのうちの数冊を読んだに過ぎないが、とても判りやすく、心に響く。
 同書第2章「精神医療とはなんだろうか」に『「こころ」と「からだ」・・・考えすぎないための資料として』という一文がある。
 そこで中井先生は、『精神科医療は単純に《こころ》の病気だけにかかわるだけではない。(中略)河合隼雄は「こころとからだの中間の病気です」と答えるようにしているそうだ』と述べておられる。
「こころとからだの関係はどうか」については、「考えすぎないための資料」を記すとして、

  1. 二つは別々に離れているわけではないのに、《こころ》から始めるといくら行っても《からだ》に達せず、《からだ》(脳)から始めるといくら行っても《こころ》に達しない。
  2. なぜかわからないが、《こころ》と《からだ》を分けておく方が、人間が生きるのに便利なようになっている。
  3. 《こころ》と《からだ》は眠っているときは区別が怪しくなる。
  4. 《こころ》と《からだ》は、文化によって分け方が違う。
  5. いろいろみてくると、《こころ》対《からだ》をはじめ、いろいろな分け方はそれぞれが「モデル」であることがわかる。「モデル」は、それから出発して多くの事柄をうまく説明できるほどよいわけで、いろいろあってもかまわない。ふつうの日本人は、表向きは《こころ》と《からだ》、いざとなると《あたま》《気》《からだ》の3本立てである。

なかなか、頭の体操になる文章だと私は思う。

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