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『「孤独」は消せる。』(サンマーク出版)を読んで

2018.02.07

著者は吉藤健太朗さんというまだ30歳の方である。すごいタイトルだと思う。3年半の不登校を経験し、世界最大の科学大会で栄冠に輝き、ロボット研究者になり起業している。

人間の孤独の解消をご自分のミッション(使命)として分身ロボットを開発している。
実際に吉藤さん自身が東京のオフィスで仕事をしているとき隣に分身ロボットOriHimeがいる。声をかければ吉藤さんの方を向きながら返事をする、質問をすれば答えてくれる。
「今日の予定のAさんとのミーティングってどんな約束だっけ?」「待ってね、調べる。・・・それは先日の○○の講演会で名刺交換をして、取材に来たいってメールをくれた○○大学の方だよ」

AIを搭載していて、一緒に仕事ができるパートナーロボット・・・一見そう見えるが、AIではない。

吉藤さんの友人でもある番田雄太さんという人が、盛岡の病院か自宅から操作している。番田さんは4歳の時に交通事故に遭い頚髄損傷になり首から下のあらゆる感覚を失い、呼吸器を装着した寝たきり患者になった。学校にも通えず、ともだちもつくれず、20年以上の療養生活をしてきた。

今その番田さんはインターネット越しにOriHimeを操作して、毎日吉藤さんの会社に出勤し、吉藤さんの秘書として書類作成やスケジュール調整、メールなどの仕事をしている。もう4年ぐらいになるらしい。

すばらしいことである。私はロボットなどの世界には全く知識がないが、こういう吉藤さんのような人が活躍していることに希望を感じた。是非、一読を勧めたい。

院長:阪中明人