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NHKスペシャル「きのこ雲の下でなにがおきていたのか」を見て

2015.08.07

8月6日夜のNHKスペシャルをたまたま見た。広島に原爆が投下された3時間後に中国新聞カメラマンが撮影したわずか2枚の写真を徹底的に解析していった番組である。
被爆直後に20人前後の人たちが橋のたもとに集まり何かをしている写真。ほとんどの人が真っ黒になり、髪はチリチリとこげて大きく広がっている。衣服も焼け焦げている。路上に倒れている人もいる。その子がどうなったかは分からない。
なぜ、たった2枚か。カメラマンは涙が出て曇ってそれ以上撮ることができなかったそうである。
そこからが凄い。その写真に写っている人を特定して二人の人から証言を得ている。今年は戦後70年である。お一人は90歳の男性。もう一人は80歳代の女性。
主にお二人の証言と共に、写真を現在のデジタル技術で分析する。様々な事実が判明する。
その時点で軍がトラックで救出活動をしていた。止まっている車に小さな女の子が乗り込もうとしたら救出活動をしていた兵士が「女子供は後だ」と怒鳴り、女の子は車に乗るのをあきらめて爆心地の方向に去って行ったそうである。
90歳の男性の証言である。その人自身は「そっちへ行くな。そっちは火の海だ。死ぬぞ」と祈るしかなかったという。ご自身も大やけどで声を上げる事さえ出来なかったそうである。
なぜ、兵士はそう言ったのか。戦闘が可能そうな男性の負傷者のみを集めていたのだ。戦争の悲惨さと言うべきか。衝撃であった。
他にも驚くべきいくつもの事実が分かった。NHKのオンデマンドで視聴できる。ご興味のあるかたに是非ご覧になっていただきたい。