なないろ通信STAFF BLOG

『きたかぜとたいよう』

2023.11.07

先日片付けをしていたところ、戸棚の奥から『きたかぜとたいよう』という小さな絵本が出てきました。この絵本は、私が幼稚園児の頃のお気に入りで、毎日通園カバンに忍ばせて持って行っていたことを思い出しました。物語の内容は、北風と太陽のどちらが旅人の服をぬがせることができるかという、力比べをするというものです。北風は力任せに風を強く吹きつけることによって、旅人の服をはぎとろうとしますが、旅人はかえって服がぬげないように抑えました。一方、太陽はぽかぽかと暖かい光で旅人を包み、旅人は気持ちがよくなって帽子やコートをぬいでしまいました。
当時の幼かった私がこの物語をどのようにとらえていたのかは分かりません。今の私の解釈を付け加えるならば、太陽は力任せではなく、自然に旅人の気持ちが変わっていくことを待ち、旅人が心地いいと思える方法をとったことがとても印象的だったのではないかと思います。それは私のカウンセラーとしての在り方の原点が、この小さな物語に秘められていることに気づかされました。